春の緑が滴るようなモミジに、ピンク色のプロペラのような実が付いているのを見かけます。これは
「翼果」と呼ばれる実(種)で、秋に熟して二つに割れ、風に乗って遠くに落ちるそうです。植物が種を遠方へ蒔く方法には、昆虫や鳥や動物に食べてもらったり、付着したりして移動する方法があります。一方、吹く風に身を委ねて、あてなく旅をする方法もあり、モミジもこの仲間です。写真のモミジは栄養が良いのか、ピンク色の実をたくさん付けていました。実たちは身を寄せ合い、旅立つ日の夢を語り合っているかのようでした。
〔データ〕 キャノンEOS Kiss X3 + 55~250㍉ WB:太陽光 JPEG 撮影地:埼玉県川口市