そのアヤメは、池の中ほどに寄り添うよう生えていました。周辺の草むらに見られるアヤメよりずっと背が高く、幅広い葉に支えられて、骨太な印象を受けました。皇居東御苑のHPで、
ナスヒオウギアヤメ(那須檜扇菖蒲・アヤメ科)とわかりました。
その名を冠するナス(那須)の字が気になり調べてみると、栃木県那須町を産地とし5月下旬~6月上旬に開花するヒオウギアヤメの変種で、環境省や栃木県の絶滅危惧種に指定されているとわかりました。さらに、この種名については、昭和37年に宮内庁の職員が発見し、昭和天皇が研究のうえ命名されたそうです。
ナスヒオウギアヤメが、本来の産地を離れて、皇居二の丸庭園に植栽されている縁を考えると、改めて感慨深いものがありました。
〔データ〕ソニーNEX‐F3 + キャノンEF-S55-250ミリ F4-5.6 IS STM + マウント・アダプター(キャノンEOS→ソニーNEX) 絞り優先オート F11 WB:曇天 JPEG 撮影地:皇居東御苑(二の丸庭園)